概要

 胴服、十徳等などと類似している羽織は室町時代後期から用いられた防寒・礼装目的の着物です。元々は動詞の「はおる」であり連用形が名詞化したものです。また、前身頃を完全に打ち合わすことが構造的に不可であり、前を紐で結ぶというのも特徴です。このヒモは生地と共布で縫い付けてある場合もありますが、通常は「乳」と呼ばれる小さな環状の金具に、専用の組み紐を装着して使用します。装着方法は古くは直接結び付けていましたが、現在ではS字状の金具を介して引っかけて使われます。この紐をTPOや流行に応じて交換するのがオシャレとされています。本来戦国時代の軍装に由来するもので、女性が着ることはほとんどなく、打掛が用いられていました。明治大正時代は長羽織、昭和30年代は帯が隠れる短い羽織が流行りました。一時期着物自体が廃れていく傾向にありましたが、近年ではアンティーク着物ブームにより、脚光を浴びて再び着る人が多くなりました。